youtube、SNS、芸能人のくだらないゴシップニュース。そんなものを見続けて、気がつくと時間を無駄にしていた。そんな経験ありませんか?この記事では「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」から学んだデジタルテクノロジーを利用するための哲学。具体的な【デジタル片づけ】の3stepを通して、大切な時間を取り戻す方法を紹介します。テック界の「こんまり」として話題のコンピューター科学者によるニューヨーク・タイムズ・ベストセラー 。

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する
カル・ニューポート

「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」はあなたにおすすめ

  • SNSの見過ぎをやめたい
  • スマホ依存を抜け出したい
  • 本当に大事なことに集中して取り組みたい

「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」内容

著者はテック界の「こんまり」ことコンピューター科学者のカル・ニューポート。

アップルやTwitterが仕掛ける依存の仕組みに抗う難しさを教え、デジタルとの付き合い方に新しい”哲学”の必要性を提案している。

ささやかな情報の見逃しを恐れず、本当に大切なことを見つけ、集中するための思考法&実践法を解説。

1600人超の集団実験で導き出されたメソッド【30日間のデジタル片づけ】でデジタル・ミニマリストへのステップを学べる。

youtube依存、スマホ依存を脱却する方法を解説した記事はこちら

デジタルツールは少ないほど豊かになれる

この記事では、

  • デジタルテクノロジーを提供している企業がどのように人の行動依存を引き起こしているか
  • デジタル・ミニマリズムの哲学とは何か
  • 具体的な【デジタル片づけ】の3ステップ

を解説しています。

なぜ依存してしまうのか

私たちは、テクノロジーを便利に使用している・楽しんでいる。と感じているかもしれないが、そうではないらしい。アプリやブラウザーは使わずにいられないようにするために、何十億、何百億ドルもの資金が投じられている。

Googleに勤務していたエンジニアは、テレビ番組でこんなことを語った。

「こいつはスロットマシンなんです。」

「スマホをチェックする行為は「さあ、あたりは出るかな?」とスロットマシンのレバーを引くようなもの。」

「テクノロジー企業にはユーザーが製品を使う時間を長くするためのテクニック集が存在する。」

「テクノロジー企業は中立ではなく、ユーザーに長時間使わせることを目的としている。なぜなら、そこから利益を得ているわけですから。」

新しいテクノロジーはあえて行動依存を引き起こすように、巧みにデザインされている。行為依存に拍車をかける「間歇強化」と「承認欲求」とはどんなものか。

間歇強化

決まったパターンで報酬を与えられるよりも、予期せぬタイミングで与えられた方が喜びが大きくなる。その仕組みを利用しているのがフィードバックボタンだ。

フェイスブックの”いいねボタン”に代表されるフィードバックボタンは、友人の近況を知るためのアプリには必要のないボタンだった。

しかし、ユーザーが何かを投稿するたびに、不規則に届く”いいね”やリツイートは、投稿者のドーパミンの分泌量を増やし、投稿してチェックするという行為をとてつもなく魅力的にした。

あるフェイスブックのエンジニアはそれらを「まがい物の幸福感をもたらす高らかな鐘の音」と呼ぶ。

また、特定の情報を調べるために訪れたニュースサイトで、知らぬ間に全く関係のない記事を読んでる。これも記事から記事へと渡り歩いているうちに、ランダムに面白い記事に当たるかもしれない。という不規則に訪れる”あたり”に期待する思いから起きる現象だ。

面白そうなタイトル、リンクをクリックするのは、スロットマシーンのレバーを引くのと同じ依存性を持っている。

承認欲求

僕らはそれに抵抗できない」の著者アダム・オルターはこう書いている「我々は社会的動物であり、他人からどう思われているかを全く意識せずにいることはできない」

旧石器時代、部族のメンバーに尊重されているかどうかは、生死に関わる問題だった。しかし現代はこの本能的衝動はテクノロジーに乗っ取られ、金銭的利益をもたらす行為依存を引き起こすために利用されている。

フィードバックボタンによって届けられる他のユーザーからの好意的な承認もまた、私たちの脳が強く望んでいるものの一つだ。行為的な評価が得られているか否か、常に情報をチェックしておきたい気持ちに駆り立てる。

こうして私たちは、便利ははずのデジタルツールに主体性を侵害され、人間の脳の奥の弱点を攻撃され続けている。

知らぬ間に行為依存に誘い込まれる前に、テクノロジーをどのように使うかを定めた具体的なプランが必要だ。デジタル・ミニマリズムがそのひとつ。

デジタル・ミニマリズムとは何か

自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準に厳選した一握りのツールの最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、他のものは惜しまず手放すようなテクノロジー利用の哲学。

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する

まずは哲学の構築が必要

小手先のテクニックで、いくつかのアプリの通知をオフにしたぐらいでは本能的衝動を刺激する様々な誘惑には勝てない。自分の大事な目標を基準に定めたテクノロジー利用の哲学を持つ必要がある。

テクノロジー利用のルール

  • 費用対効果を意識して、それを利用してもわずかな娯楽や利便性しか得られないとわかったら手を出さない
  • 自分が大事にしていることを後押ししてくれそうだとしても、そのテクノロジーの利用が最善と言えるかどうか考え、答えがノーなら、最適な利用法を探るか、もっと良い選択肢を求めて情報収集を再開する

反対にマキシマリスト的な哲学を持っている人なら、こんな付き合い方をしているだろう。

  • 新しいテクノロジーが現れたら、わずかでもメリットがありそうならとりあえず使ってみる
  • 価値のありそうなことを見逃すかもしれないと常に不安に駆られている

小さなメリットのために自分がどれだけの時間とエネルギーを費やしているか考えてみれば、役立つどころか、損失を与えられていることに気づく。小さなチャンスを逃さないことより、確実に人生を充実させてくれると分かっていることをないがしろにしない方法を意識的に選ぶべきだ。

デジタルミニマリズムの三原則

あればあるほどコストがかかる

あまりにも多くのデバイスやアプリ、サービスで自分の時間や注意が埋め尽くされた状態は、一つひとつがもたらす小さなメリットの総和を帳消しにしかねないデメリットを生むことを知っている。

最適化が成功のカギである

特定のテクノロジーが自分の大事な目標を後押しするか否かを見極めることは、初めの一歩にすぎないことを知っている。潜在的なメリットを最大限に引き出すには、そのテクノロジーをどのように利用するかを慎重に判断しなくてはならない。

自覚的であることが充実感につながる

新しいテクノロジーとの関わり方に自覚的であろうとする基本的な心構えから大きな喜びを得る。この喜びの源は、ミニマリストがなす個別の判断から独立しており、またミニマリズムがその実践者にとって極めて大きな意味を持つことが多い最大の理由の一つである。

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する

具体的な【30日間デジタル片づけ】の3step

デジタル・ミニマリズムを試す価値がありそうだと思えたら、一気にライフスタイルを変えることがお勧め。

習慣を少しずつ変えていく方法は成功率が低い。新しいテクノロジーの誘惑から逃れるためには、充分な決意を持って短期間でやり遂げた方が成果が長続きする。

まずは30日間。自分なりに定めたルールで、テクノロジーとの付き合い方を一新しよう。

step1.
30日間のリセット期間を定める 必須でないテクノロジーの利用を休止する

必須でないテクノロジーに含まれるものとして、SNSやアプリ、ニュースサイトを始め、ゲームや、テレビ、ストリーミング配信などを検討すべきだ。

”必須でない”の定義は30日間全く利用しなくても困らないもの。一時的ではあっても排除すると仕事やプライベートに確実に支障をきたすと分かっているものは残し、それ以外は全て排除する。

仕事のメールをチェックすることは、やめるべきではない。しかし、なんとなくフォローしている人たちのツイートを30日見ないことで支障が生じるとは思えない。なんとなく覗いているニュースサイトも、それは本当に知るべき情報なのかよく考える必要がある。”便利”と”必須”を混同しないこと。

曖昧なものについては運用規定を設けよう

例えば、LINE。主にプライベートでの利用が多いが仕事の連絡が入ることがある場合。特定の人からの着信音を変更し、仕事の連絡は即チェックできるようにしておく。すぐに返信する必要のない人からの着信をミュートにし、1日の決まった時間にチェックする。

ストリーミングの映画やドラマを見ている時間が家族団欒の習慣なら、家族と一緒の時間は利用し、一人では見ないと決める。

それぞれの生活に合わせてテクノロジーとの付き合い方を真剣に検討してみよう。

禁止するテクノロジーと運用規定は紙に書いて毎日チェック

禁止するテクノロジーとそれぞれの運用規定のリストを作成したら、紙に書いて毎日目に付く場所に貼っておこう。30日間のリセット期間中にしてもいいこと、いけないことを明確に意識しておこう。

step2.
この30日間に楽しくてやりがいのある活動や行動を新しく探す または再発見する

これまで触れていたテクノロジーが生活からいきなり排除されると不快に感じるかもしれないが、実験者の多くは、それらの不快感は1週間から2週間で消えたと報告している。リセット期間中に多くの参加者がどのような経験をしたか端的に表しているのが次の言葉だ。

三一日間、離れてみて、視界が晴れたように思います。それまでは曇っていることにさえ気付いていませんでした・・・いまこうして外からのぞきこむと、世界にはまだまだ見るべきものがたくさんあることがわかります。

空いた時間でもっと価値の高い活動を積極的に探す

本を読んだり、友人と夕食に出かけたり、絵を描いたり、子供 たちとの時間を大切にしたり。スクリーンを凝視していては見つけられなかった楽しみを意識的に探さなければならない。

自分の人生でより意義深い活動や目標が何なのか把握しておくことで、30日間のリセット期間後どのテクノロジーを再導入するか判断することができる。

step3.
30日間が終わったら、休止していたテクノロジーを再導入する

その一つひとつが、自分の生活にどんなメリットがあるか、そのメリットを最大化するにはどんな利用法が最適か検討する。これはデトックスではない、30日後全てのテクノロジーを再導入するのは間違いだ。

以下3つの基準をクリアしたものだけを生活に再導入する。

【再導入するテクノロジーを検討する3つの基準】

基準1
自分が重きを置いている事柄を直接支援してくれるだろうか

何らかのメリットがありそう。だけでは導入してはいけない。重要だと考えていることに貢献するテクノロジーのみを採用する。

基準2
目標を追求する方法としてそれが最善か

私たちは大事な目標と強引に結びつけて、テクノロジーを正当化しがちだ。だが本当にそのテクノロジーを利用するやり方が最も最善か考えよう。

インスタで近況を知ることで家族との絆を大事にしている。と感じていても、電話を一本かける方がはるかに家族の絆は深まる場合もある。

基準3
どのように利用すれば、メリットを最大に、デメリットを最小にできるかを考える

いつどのように利用するか、目的に合わせて運用規定を定めておく。テクノロジーを導入する理由と目的が明確であるなら、自ずとどのように利用すべきか、定義できるはずだ。

「何となくSNSで家族や友人の近況を知れるから。」ではなく。
「毎週土曜日、パソコンを使ってフェイスブックにアクセスする。スマホにはアプリを入れない。」など導入するそのテクノロジーから最大のメリットを得られる状態を考えよう。

空いた時間に何をするか より良い余暇の過ごし方

今回の記事では、私たちがデジタルツールに依存してしまう理由、デジタルミニマリズムの必要性、【デジタル片づけ】の具体的な方法を説明しました。

3stepに従い不要なテクノロジー利用を削ると、信じられないほど時間ができる。本当に重要なのはこれから、自分にとって大事なことは何か、真剣に向き合いより良い余暇を過ごして欲しい。

本書「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」では、【デジタル片づけ】の方法以上に多くのページを割いて、【演習】として空いた時間にどんな活動をすべきか、具体的で有意義な時間の使い方を提案しています。興味がある方はぜひ。

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する
カル・ニューポート

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