仕事のために読んでおきたい本がたくさんあるけど時間がない!気になるけどページ数が多すぎて諦めている。端的に必要な部分だけを読みたい。そんなことでお悩みですか?この記事ではそんなあなたに、「大人のための読書の全技術」に学んだ、忙しいビジネスマンの必須スキル「本のさばき方」を解説します。「さばき方」が分かれば5倍の速さで本が読める。
齋藤 孝
「大人のための読書の全技術」 (中経の文庫)
知識を吸収するための読書術を知りたい人におすすめ
- 話題のビジネス書は、一応読んでおきたいと思っている
- 社会人の正しい読書術を身に付けたい
- 積ん読状態の読みたいビジネス書がたくさんある
- より多くの本を読み、知識や技術を仕事に活かしたい
「大人のための読書の全技術」内容
この本は、「誰よりもたくさんの本を、誰よりも精密に読み込み、すぐに仕事に応用できるようになる方法」のすべてを、書いた本です。
大人のための読書の全技術
本書は忙しい社会人が限られた時間の中で本を読み、教養、知識、情報を身につけるための「読書術」について解説しています。目次を要約するとこんな感じ。
序章 社会人に読書術が必要な理由
第一章 読書を習慣づけるための秘訣
第二章 速読の全技術
第三章 精読の全技術
第四章 本選びの全技術
第五章 アウトプットの全技術
終章 社会人が今、読んでおくべき五〇冊
それぞれのステップが読書術を身につけるために必要不可欠なのですが、忙しい社会人の皆さんが特に気になるのは、第二章 速読の全技術、第三章 精読の全技術つまり、速く読み深く理解することではないでしょうか?
今回は、読書のスピードと理解力を上げ「最速で本の重要な情報を理解する方法」を解説します。
本をさばけば20分で内容が理解できる
ここで説明する本とは、ビジネス書や実用書など学びたい目的、知りたい情報がある場合に読む本のことです。求めている情報を的確にピックアップして最も重要なポイントと結論を理解し、自分の知識にすることが目的です。読破することを目的にしてはいけません。そのためには読み始める前に「本をさばく」必要があります。魚に食べられない鱗や骨があるように、本にもあなたの目的に沿わない読む必要のないページが存在します。「本をさばく」とは、不要なページを切り分け、必要な情報が詰まっている場所を摘出する作業です。
本のさばき方 3step
step.1 さばくなら新鮮なうちに
本をさばくとは獲れたての魚をさばくように、買ったその日のうちにさっと読んで、おおよその内容を把握しておくこと。そしてそれは「本を読みたい」というテンションが一番高い買った当日に行うのがベストです。
step.2 目的と締め切りを設定する
本から必要な箇所を切り出すためには、自分が何のためにその本を読むのかを明確にしないといけません。どんな知識を得たいのか、何に役立つ情報を求めているのか事前に決めましょう。さらに「今読んでいる本を誰かに説明するのだ」と決めて読み始めると、より内容を理解し整理しながら読み進めることができます。
そして締め切りを設定することで、強制的に読書スピードが上がります。トレーニングを繰り返せば確実に脳が反応して自ずと速く読めるようになります。
step.3 20分でポイントを見つけ出し要約を把握する
1冊につき20分ぐらいでページをめくり、その本の内容を人に話せるぐらいまで把握する。この方法で大切なことは1章から読み始めないこと。重要な箇所をセレクトして読む必要があります。
大事なポイントを探す方法
「サーチライト方式」重要なキーワードに敏感になる
本を読む前に、大事なキーワードを5、6個決めておく。タイトル、カバー、要約、目次などから気になったキーワードに丸をつけていく。少しでも引っかかったら迷わず丸。
「逆算読書法」最初から読む必要はない
大事なところから読めばいい。一般的なビジネス書は肝の部分は大体3、4章。結論は最終章に書かれていることが多い。STEP2で決めた「目的」の答えが書いてありそうな箇所から読めばいい。
これで読書前の準備は完了です。こうして目次から概要を知り、大事なところをはっきりさせておけば、全てを同じスピードで読む必要はありません。読み始めた時、どこをしっかり読むべきか把握することができるので読書スピードは格段に上がります。
大学の講義で成果を上げた本を要約するトレーニング
- 大学生を2人一組にする
- 1冊づつ新書を読んできてもらう
- それぞれが読んできた新書を交換させて、5分読ませる
- 内容の要約を相手に向かって発表させる
講義を受けた生徒はトレーニングを繰り返すうちに、5分程度で新書1冊の内容を要約できるようになります。もちろん5分で200ページの新書が読めるようになるわけではない。彼らはタイトル、帯、袖の文章、目次、小見出しにさっと目を通すだけで全体の趣旨をつかみ、その上で、ポイントだと思う箇所を読み周辺情報をプラスして全体を理解できるようになるのです。
さばいた本の重要ポイントを精読する
本をさばき終わったら、精読しよう。その本から得たい情報を実際に見つけ出す作業です。
本そのものを読書ノートにする
3色ボールペンで本をノート化する。本は汚してはいけないという先入観を捨て、読んでいて重要と思う箇所には線を引く。3色の使い方はこんな感じ。
赤は客観的に最も大事
青は客観的にまあまあ大事
緑が主観として面白い、引っかかりを感じた部分
特に緑の使いどころを気にするべき、それは「自分の面白センサー」だから。著者は緑だけ丸で囲む。ぐるぐると大胆に丸をつけることで、そこが大事だというスイッチが入り頭に残りやすいという。
さらに特に大事だと思ったページは上端を折る。まあまあ大事は下端を折る。そうしておくとあとで読み返した時の道しるべになる。
とにかく必要な情報を見つけ出すこと、それを読み返した時にすぐに思い出せることが大事、自分なりのやり方を模索してみてください。
「二割読書法」大雑把に全体を把握する
大事だと思うところピクアップして本の2割程度のページを読む。200ページの本なら40ページ。連続した40ページではなくポイント部分を。ジグソーパズルが完成していなくても、何の絵なのかわかるように、2割で全体像を把握すれば内容の半分以上はつかめる。
引用ベストスリー
好きな文章を3つ選んで引用しておく。それを配列し、なぜ気に入ったかメモしておく。それが自分がその本からの学びを整理するきっかけになる。
強制的に読破信仰を脱出する本の読み方
目次を見て重要なところを見つけたり、本に線を引いたり、慣れないうちは戸惑うかもしれません。うまくいかなくて挫折したら本を変えてみましょう。うまくいかなかったのは本との相性が悪かったのかもしれません。たまたまわかりにくい本にぶつかっただけで挫折するのはまだ早い。読み切らなくても次を読む習慣をつけよう。
詳しくなりたい分野の本は集中的に何冊か読む
そうするとその分野の知識が蓄積され、6、7冊読み終わる頃には次の本の内容も8割以上のことが理解できている状態になり、以降読む本は残りの2割を理解すればいいだけになります。これが速読への第一歩。
同時並行読書術
10冊を同時に読む。常にソファーや机に置いておき、並行して読む。スピードはバラバラで大丈夫。こうすることで、読破しないと次の本に取りかかれないという状態から脱出できます。最後まで読めない本があることを折り込み済みで読み始め、自然と読み切る本と、離脱する本が出てくる。
1冊を完全に読破しないと次の本に取りかかれないという人もいます。しかしそれでは、一本の線路の上に10台の列車を走らせるようなもの。先頭の列車が止まってしまうと、もう次の列車は走れません。それでは大量の読書は不可能です。
大人のための読書の全技術
おそらく、蔵書の全部を全ページ読破しているという人は、本をたくさん読む人には一人もいないと思います。
もったいないと感じない無料読書
せっかく買った本なら全て読まないともったいない。そう思ってしまうなら、まずは無料読書サービスを試してみてください。本に書き込むことはできませんが、量を読むことで、読破することよりも内容を理解することの方が大事だと自然に感じるようになります。無料・定額で本を読めるサービスはたくさんありますが、ビジネス書に特化するならオススメは以下2つ。
- 図書館
今まで利用したことがないならもったいない。本のシェアリングエコノミーだと思えばなんだか最先端のサービスのような気がしませんか?ネットで蔵書を検索、近くの図書館に取り置きしてもらうことも当たり前になり、最近では電子書籍貸し出しサービス(自身のスマホやPCで本を読める)を始めている自治体もあるので、ご自身のお住いの地域の図書館のサービスを調べてみることをお勧めします。いずれ図書館の本も全て電子書籍で読める日が来るかも。 - kindleunlimited読み放題
月額定額読み放題サービスはいくつかありますが、ここを試さずに他のサービスを利用する理由はありません。初回は30日間無料体験ができます。無料体験終了後は月額980円。それでも安いと感じます。が、無料体験後解約したとしても、不定期で様々なキャンペーンを開催していて、2ヶ月99円で利用できたりします。過去に30日無料体験をしたことがあるから、と興味を無くしてしまうのはまだ早いです。試しににkindleunlimitedへアクセスしてみてください。もう一度無料体験ができたり、今から利用できるキャンペーンが表示されているかもしれません。
本プランは、本画面が表示されているお客様が対象となります。
本プランは特定の条件を満たしたお客様にご提供するプランとなり、全てのお客様に対して同様の条件やタイミングでご提供されるわけではありません。
実際に私も、30日間無料体験後こんなキャンペーンを利用したことがあります。キャンペーンにより全ての人に同じタイミングで提供されるわけではないので、ご自身のアカウントでkindleunlimitedへアクセスしてみて確かめるしかありません。
本をさばく→精読で読書スピードは上がる
これまで説明してきた方法で、新しい本を読み始めれば、格段に読書スピードが上がります。さらに、目的をはっきりさせて読んでいるので、重要な箇所をピックアップして理解する力も向上します。
これまで読みたいと思ってもなかなか手が出なかった本で試してみてください。スルスルと内容が理解できて、本を読み終わった!という達成感を味わうことができます。
さらに、本書の終章の社会人が読んでおくべき五〇冊リストからピックアップした「どんな教養を身につけるべきか?大学生におすすめの10冊」をこちらで紹介しています。是非。