アイデアを求められる場面で、どんどん提案ができる人と、何も浮かばない人にはどんな差があると思いますか?生まれながらに発想力が豊かな人と、そうでない人がいる?違います。

ジェームス・W・ヤング著『アイデアのつくり方』ではアイデアを流れ作業のように生み出すための公式を紹介しています。これを知れば、漠然とひらめきを待ち、迫りくる締め切りに怯える必要はなくなるでしょう。

この記事では、アイデアを作り出すための5ステップについて解説しています。

『アイデアのつくり方』
ジェームス・W・ヤング

「アイデアのつくり方」はあなたにおすすめ

  • 仕事の会議や企画書で提案するアイデアが浮かばない
  • 自分で起業したいが、ビジネスプランが思いつかない
  • 何かいいアイデアがふっと思いつくのを待っている。が、何も起こらない。怖い。締め切りが迫っている。

「アイデアのつくり方」内容

著者のジェームス・ウェブ・ヤングはアメリカ最大の広告代理店「J・ウォーター・トムプソン」でコピーライターとして働き、なんやかんやで同社の副社長に就任した人物。

広告業界で活躍し続けた著者が、ある日こんな質問を受ける。
「どうしてあなたはアイデアを手に入れることができるのか?」
その珍妙で素朴な質問にうまく答えられなかった著者は、それ以降この問題を考え、答えを見つけるに至った。

その経験による公式では、一定の明確な過程があり、流れ作業のようにアイデアを作ることが出来るという。本書ではその公式を惜しげもなく公開してくれている。

一体どんな公式なのか?

貴重な公式をこんなに簡単に公表する理由

ただし、なぜそんな貴重な公式を公開するのかといえば、

第1に、説明するのは簡単だけど、実際に信用する人はまずわずかしかいないこと。
第2に、説明は簡単だが実行するのは困難な知的労働が必要になること。

以上の理由により、著者は市場にアイデアマンが供給過多になることはないと断言している。

本書のアイデアのつくり方は無駄なくシンプルに説明されている。そのため、内容をより深く理解するための著者のおすすめ本を最後にご紹介します。説明を聞いても腑に落ちない方は、これらの本を読み、思考、行動、言語、科学に対する知識を学んでから再読することをオススメします。

すべてのアイデアが作り出される過程にある原理

原理1

アイデアとは既存の要素の組み合わせである。

原理2

新しい組み合わせを見つけることは、物事の関連性を見つけ出す能力に依存するところが大きい。

そして、物事の関連性を見つけ出す力は鍛えることができる。最も良い方法の一つは社会科学の勉強をすること。

著者オススメ社会科学が学べる本

ウェブレン『有閑階級の理論』

リースマン『孤独な群衆』

アイデア作成の 5 STEP

STEP1 2種類の資料を収集する

これはなま易しい作業ではない。疎かにされがちだが、これを避けて通ってはいけない。特殊資料と一般資料の2種類の資料を集める必要がある

特殊資料

製品や、売りたいと想定している人に対しての資料

表面的な相違がほどんど目立たないような場合、そこには何ら相違点がないとすぐ決めてしまう。しかし、十分深く、あるいは遠くまで掘り下げていけばほとんどあらゆる場合、すべての製品とある種の消費者との間に、アイデアを産むかも知れない関係の特殊性が見つかるものなのだ。

『アイデアのつくり方』

一般資料

人生とこの世の様々な出来事について。アイデアを産み続ける人は継続的に集め続けなければならない。

真にすぐれた独創的広告マンはみんな決まって二つの顕著な特徴を持っている。第一は、例えばエジプトの埋葬習慣からモダン・アートに至るまで、彼らが容易に興味を感じることのできないテーマはこの太陽の下には一つも存在しないということ。人生のすべての面が彼には魅力的なのである。第二に彼らはあらゆる方面のどんな知識でも貪り食う人間であったこと。

『アイデアのつくり方』

STEP2 集めた資料を咀嚼する

STEP2は言語化が難しい。

頭の中で、集めてきた資料をそれぞれとりあげ、心の触角で触ってみる。違う光に当ててみる。パズルのように資料同士を並べたり、組み合わせたりしてみる。

すると、部分的なアイデアが浮かぶ。それらをメモしておく。

さらに、パズルを合わせるのに疲れ果て、嫌気が差してくる。

ここまできてSTEP2完了

STEP3 放棄する

問題を意識の外に移し、想像力や感情を刺激するものに心を移す。

音楽を聴いたり、映画を見たり、詩や小説を読んだり。

STEP3では何の努力もしなくて良い。

STEP4 !!!!!突然ひらめきが訪れる!!!!!

まったく期待していないときに突然ひらめきがやってくる。

STEP5 アイデアを具体化し展開させる

生まれたアイデアを、実用性のあるところまで育てる。具体化し、展開させる。

これにてアイデア完成!

補足:アイデアを産む言葉<言語意味論(セマンティックス)>

著者いわく、言葉を磨けばアイデアが生まれる。物事の関連性を見つけたり、集めた資料を咀嚼する際に役に立つのが、言葉だ。日常生活で使用することはなくても、語彙の中に持っているだけで実際的価値の高いシンボルとして言葉を使用できるようになる言葉があるという。

それが<言語意味論(セマンティックス)>

何それ?と思った方は以下を読むと理解できるらしい。

S.I.ハヤカワ著「思考と行動における言語」

「アイデアのつくり方」の理解に役立つ3冊

本書の説明は、本当に大事なところだけをギュギュとまとめてあるだけに、理解が追いつかない。そんな方のために、著者オススメの3冊をご紹介。

H・ポアンカレ著『科学と方法』

グラハム・ワラス著『思考の技術』

W・I・B・ビーバリッヂ著『科学的研究の技術』

まとめ

アイデアの生まれ方としてイメージしがちな「ある日突然ひらめきがやってきて」「散歩の途中で」という奇跡の裏には、STEP1・2を完璧にこなしている。という前提条件が必要だったらしい。

それを知らずに、STEP3「放棄する」に突入して、ボーッとアイデアの到来を待っていても何も起こらない。

私たちにアイデアがある日突然降ってこないのはそのためだったんだ。とりあえず資料集めからはじめてみよう。

『アイデアのつくり方』
ジェームス・W・ヤング

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